「どうしますか」は目上の人・上司に失礼?敬語表現や注意点を解説

相手に状態や行動、選択肢や意見などについて尋ねるとき、「どうしますか」という言葉を使いますが、上司や目上の人に対して尋ねる際に使っていいのか、正しい敬語表現なのか、悩む人も多いのではないでしょうか。この記事では「どうしますか」の意味や敬語表現、使用する際の注意点などを解説いたします。

「どうしますか」の意味

「どうしますか」は「どうするか」を丁寧にした言葉です。相手に状態や行動、選択肢や意見などについて尋ねるときに使います。

「どうしますか」は丁寧な言葉ですが、ビジネスシーンで上司やお客さまなど目上の人に尋ねるときは、さらに敬意を表す敬語表現を使いましょう。敬語表現は複数あり、相手によって表現を変える必要もあります。「どうしますか」の正しい敬語表現や使い分けを確認していきましょう。

「どうしますか」の敬語表現・使い分け

敬語表現は、丁寧語・尊敬語・謙譲語の3つがあります。丁寧語は相手に対して丁寧に話をするときの敬語で、尊敬語は相手の言動を高めることで敬意を払う敬語、謙譲語は自身がへりくだることで相手をたてる敬語です。

「どうしますか」は、「どうするか」の丁寧語です。「どうするか」の尊敬語は「どうなさいますか」、謙譲語は「どういたしますか」となります。上司や目上の人に対して尋ねる際、丁寧語は軽い印象で失礼だと捉えられてしまう可能性があるため、尊敬語もしくは謙譲語を使いましょう。

「どう」という言葉が砕けた印象を持つ方もいらっしゃるため、よりあらたまった印象の「いかが」という言葉に言い換えた表現もおすすめします。尊敬語で「いかがなさいますか」、謙譲語では「いかがいたしましょうか」、「いかがいたしましょうか」という敬語表現になり、より丁寧な印象を与えられるでしょう。

●「どうするか」の敬語表現

丁寧語: どうしますか
尊敬語: どうなさいますか / いかがなさいますか
謙譲語: どういたしますか / いかがいたしますか・いかがいたしましょうか

「いかがなさいますか」と「いかがいたしますか」の違い

「いかがなさいますか」と「いかがいたしますか(いかがいたしましょうか)」は似ている表現ですが、尊敬語と謙譲語という違いがあります。動作をおこなう「する」が、相手か、自分か、という点で異なるため使い分ける必要があります。

● いかがなさいますか

「なさる」は尊敬語です。そのため動作をおこなう「する」のは相手になります。相手に「あなたはどうしたいか」を、確認するときに使います。

〈 例文 〉

▢ お時間をいただきありがとうございます。次回のスケジュールに関して、いかがなさいますか。
▢ 今後の展開についてご意見を伺いたいのですが、いかがなさいますか。
▢ プレゼン資料ですがご意見をお聞かせいただけますでしょうか。修正案について、いかがなさいますか。

● いかがいたしますか

「いたす」は謙譲語です。そのため動作をおこなう「する」のは自分です。自分が「私はどうしたらよいか」を、相手に確かめるときに使います。

〈 例文 〉

▢ 資料の確認は、いかがいたしますか(いかがいたしましょうか)。
▢ 今後の進め方について、いかがいたしますか(いかがいたしましょうか)。
▢ 次回の打ち合わせはの日程は、いかがいたしますか(いかがいたしましょうか)。


「どうしますか」を使用する際の注意点

「どうしますか」を、ビジネスシーンで使う際は、相手との関係性や、尋ねる内容によって、丁寧語・尊敬語・謙譲語の敬語表現を使いわけるようにしましょう。動作をおこなう対象が「自分」なのか「相手」なのか、主語を明確にしたうえで誤解を招かない表現を心がけることが重要です。

丁寧語の「どうしますか」は同僚や部下に使用して、目上の人やお客さまには尊敬語・謙譲語の表現を使用しましょう。より丁寧にしようと「いかがなさいますでしょうか」というような、不自然なで過剰な表現は使用しないように注意しましょう。相手との関係性や状況を考慮し、自然で適切な敬語を選ぶことが大切です。




「どうしますか」の意味や敬語表現、使用する際の注意点などを詳しく解説しました。誤った使い方をしてしまうと相手に不快な思いを与えるだけでなく、自身の評価を下げることになりかねません。ビジネスシーンで使用する際は、使う相手やシーンに応じて適切な言葉選びを心がけ、信頼されるコミュニケーションを目指しましょう。



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